木が消えた

伐採されて消えてしまった竹ヶ丘住宅地の木。私がカメラに収めたいちばん古いのはいつかと探してみた。2011年10月。造成工事中のものである。撮影場所は旧竹生集落内の道を歩いて一番端まで行ったはず。いまもそ道は残っているが、この場所に立っても新しい住宅で三上山は見えない。次が2012年1月。野洲川北流跡に続くビニールハウス沿いの道を歩いて撮影した。この道ももちろん残っているが、フェンスで囲まれた部分には住宅が建っている。
そして、2013年12月。造成工事が進んでいることが分かる。2014年3月。よくぞ残してくれたとの思いが強かった。しかし、ここまで裸にしてもいいのだろうかの不安を感じたのも事実だった。幸いその夏は葉を茂らした。2014年10月(標題写真)。その後、住宅地風景としてこの木を撮った記憶はあるが、いつから枯れだしたのか、きっちりした記録はない。
と、このようにこの木に関してはその時その時で撮影位置が変わっている。そしてそれらの場所が現在撮影不能な位置関係になっている。住宅地がどう変化しようとも、ここから撮れば不変の風景が撮れる。そういう場所を定めて撮影をしておくべきだった。変化を追い続けるだけで結果的に中途半端に終わったことになる。残念。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

