迷惑な話

国道161号の唐崎1丁目南交差点から湖岸までの間に新しい住宅地がある。その裏にちょっとした空き地があって一部が児童公園などになっている。住宅地ができて間なしのころはその公園から広々とした琵琶湖が眺められたが、いつの間にかヨシなどが増え、眺望は狭くなった。
その公園でのこと、60年代の男性に「こんにちは」と声をかけられた。返事を返しながらふと見ると、両手で持ち上げたスコップにでかい魚が載っている。全長40cmはゆうにあろう。「でかい魚ですな」と反射的に声が出た。と同時に、先ほどから何となくただよう腐臭の原因はこれだったのだと納得した。「釣った魚をこうして置いていくのですわ、向こうにもう1匹あります。ええ迷惑ですわ。流れついてくるのもあります。釣りあげて、写真なんかを撮って、死んだやつをほかしていくのですわ」。
魚釣りには関心がなく、何も知らなかったが、そんな問題が起こっていたのか。自分の趣味で他人様に迷惑をかける。人がたくさん集まる撮影地では、怒鳴り合いもあるとか。畦道を歩いていて怒鳴られた経験者もいると聞く。絶えず注意しているつもりだけど、見方によっては迷惑をかけていることも皆無とは言えまい。要自戒。
写真ステージ 「近江富士」
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