助手席から

きのうの場所から加茂バイパスを走って再び旧道に戻ろうとするあたり。右のほうから田中江町の一部が画面に入ってくる。三上山はちょっと珍しい姿を示す。妙光寺山と吉祥寺山との間から左斜面が伸びやかに立ち上がる。この斜面の長さが何とも爽快。右側はお定まり妙光寺山に落ちる。山としては左右の斜面の長さがアンバランスなのだが、それが特に不思議に感じない、そんな場所である。
せっかくのチャンスだったので、もう少ししっかりした光がほしかったが、晴れておれば晴れていたでフロントガラスに当たる光でそれを避けるのに苦労したかもしれない。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
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助手席から

JA近江富士の写真教室で近江八幡へ行っての帰り道。ワゴン車の助手席から。普通の乗用車と違って、足をかける順番を考えながらよいしょと上らなければならない。その分展望はいい。近江八幡市小船木町から江頭町にかけての県道2号沿い、広い農地が広がる。その中に建つモダーンな家。以前から気になっていた。
大きな邪魔者もなく、そこそこの形で収まったが、家はともかく三上山が画面のど真ん中に来てしまった。左をカットして相対的に左へ持ってくる手はあるが、左端に見える城山も捨てがたい。結局いつも教室で言っている「どっちやねん」という構図になってしまった。ひとの写真だと「これは左カットやな」と簡単に言えるのだが、いざ自分の写真となると、城山への未練や、画面全体の中での家や山の大きさなど、簡単にいかなくなる。ということで、山はど真ん中のまま。
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地球の森最北部

旧野洲川北流跡、現在のびわこ地球市民の森の北端部である。見えている堤防がその右岸跡。ここらあたりから見る限りでは、うっかり見ているとわからないが、堤防上を走ると、堤防の遠い部分あたりで視界が良くなったのがわかる。
反対側の左岸跡では、道路一つ隔てたところまで住宅が迫り、旧河川敷内の樹木が伐採され、遊歩道が整備され、随分様子が変わって来ている。
右の森のほうからやってきた一羽のトビが、刈入れの終わった田んぼの上でUターン、再び森へと帰っていった。
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マンション物語

野洲市八夫(やぶ)、湖南病院の近く、田んぼの中の一角にある庭園業者「庭卯」さんの資材置き場。以前はこんな風景も見られたが、今は周囲の木が伸びて、置き場の内部から外を見るのは難しくなった。これは外囲いの木を通して周囲の田んぼを見たところ。刈り終わった田んぼに稲束が並んでいる。手前に横たわる妙光寺山の奥から三上山が上半身だけをのぞかせている構図である。
と、何気なく撮ってしまったが、これもきのうの標題写真と同じ、5年、10年で撮影場所不明になる運命にある。田んぼと山以外場所を確定する要素がほとんどないからである。手右端に見えるマンションが唯一のものであるが、手前に何か建てばそれで終わりである。
で、待てよ、ふと気になって先ほどの灯籠の写真(2005年11月撮影)を見直してみた。右端のマンションがないのである。まだ建っていなかったのか、それとも画面右外へ外れていたのか。ことほど左様に風景の変化は複雑怪奇、だから面白いのである。ちなみに、灯籠の写真は標題写真より30mほど左から撮っている。
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清澄な日

誰かがこの写真を撮ってきて撮影場所を当てろと言われて、答えられるかどうか。写真をもって三上山の右に続く阿星山の重なりを見ながら最終的に現地へ行けるかもしれないが、写真だけを見ての場所当ては無理かもしれない。視界が意外と狭く三上山と阿星山以外は、ビニールハウスと軽トラ1台がやっとの細い道しか写っていないからである。そんな中であえてヒントといえば左の木の陰に見える柵ぐらいか。
実はこの細い道と柵との間に細い川が流れており、川を渡って反対側へ出るとこんな風景に変わるのである。写っているのは旧野洲川北流跡道路。信号も少なく走りやすい道路なのにクルマはほとんど走っていない。左側の大きな鉄塔も標題写真では木に隠れて見えない。しかし、喜んでいるのは私だけで、世間様大多数の方にはどうでもエエ話である。
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清澄な日

昨日の道路予定地を(三上山に向いて)左へ100mほど移動する。遠景はほとんど変わらず、手前の風物だけが右へ去っていく。そしてあらわれたのが豆畑と手前に石が2つ。豆畑はいいとして、この石はだれが何の目的で置いたのか。そこらに転がっていたものを1っか所にまとめたのならもっとくっつけて置くだろうし、道路予定地と畑との境…でもなさそうだし。いずれにしてもそのいわくありげな置き方が面白かった。
右の石が白く飛んでしまうのはわかっていた。本気で作品にするなら、時を改めてということになるのだが、それほどのものでもないし、まあエエか。
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清澄な日

3,4日前、きっちりした日付は覚えていないが、朝から霞がかかった春のような天気だった。それが午後3時ごろから風が強まり季節外れのもがり笛がヒューヒューと鳴った。空も曇りだし、これは一雨どころではなしに、局地的な豪雨になるかと身構えたくなるような雰囲気だった。その時は結局雨は降らず、何や肩すかしかで終わった。夕方、外へ出てみて驚いた。空気が入れ替わったのだろう、朝からのかすみがきれいさっぱり消え去り、黒々とした三上山がすぐそこにあった。雨を伴わない前線通過、不思議な体験だった。
野洲市比留田から南下してくる建設中の道路が野洲市比江にいたる最後の200mほどが予定地のまま放置されている。標題の写真は14日(日)の午後、秋らしい快晴の日。その空き地から見た田園地帯。
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広い田んぼ

我が家の前が通学する小学生の集合場所になっている。いつもは7時35分ごろになるとにぎやかになるのだが、きょうは音沙汰なし。どうしたのかと思っていたら、敬老の日で祭日だという。そうか、世間様では3連休なのか。
きのうの場所から300mほど右へ移動した。例の田んぼの中の煙突が三上山の左山すそと重なるようになる。刈入れが終わった田んぼのその向こうで刈入れの真っ最中。積み上げられたモミ殻が風景のアクセントになっている。あぜ道を歩けばもう少し近づけそうだが、何気なく見えるこの風景、実いま立っている道路と田んぼは腰の高さを超えるフェンスで仕切られており、田んぼへ入るにはぐるっと遠回りをして農道を走らなければならない。そこまでやるほどのことでなし。フェンスを越える勇気もなし。
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