思いもかけず

きのうの続き。宮川沿いの旧東海道を歩く。道沿いに家一軒分ぐらいの空き地があり、そこから石段が堤防に続いていた。これはひょっとしてと上ってみた。川の写真を撮るのが目的だったが、思いもかけず曲がり行く川の向こうに三上山が見えた。まさに意表をつかれた思いだった。宮川は野洲川流域の分水嶺を訪ねるについて、初めて意識した川である。もちろんいままで名前すら知らなかったし、ここに立つことなど考えても見ないことだった。
こんなところから三上山が見えたのかと、最初の1枚を撮ったとき、急に足元のヨシ陰で羽音がして、青サギが1羽飛び出した。あんなに注意深いアオサギがどうして?、シャッター音を聞いて飛び出したのではないかと疑いたくなるぐらいの距離感だった。とりあえずの1枚。こちらも慌てたから三上山はアウト。体勢を立て直して、三上山と一緒に収まったのが標題写真である。
さて、落ち着いてみるとこの初めての風景、右の山は何山か。連続して見ている場合は、それぞれのつながりがあるからとまどいはないが、今回はほんのちょっととはいえ、風景の空白があった。幸い堤防に後退する余裕があった。そして見た全体像。その姿は遠近感に多少の違いはあるが、出発時に石部頭首工岸から見た菩提寺山の姿に一致していた。
写真ステージ 「近江富士」
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