水郷巡り

西の湖の西部、いわゆる水郷地帯の水路が入り組んだところで、水郷巡りの船が行き来する。その中で「西の湖園地」と標識のある小さい島が2つ、橋で結ばれた部分がある。付近全体は木が多くて遠望は利かないが、唯一島と島をつなぐ橋の上からだけ三上山が見える。橋の下の水路が遊覧船の航路になっており、舟は必ずそこを通過するという場所である。その橋へ着いたとき、3艘の手漕ぎ舟が帰っていくのが見えた。遅かった。あと10分も早く来ていたら、これらの船が橋の下へ向かってくるのが撮れたのだが。次はいつ来るのかわからない。こないかもしれない。待つしかない。
30分ほども待ったあだろうか。エンジンの音が近づいてきて、機動船がやってきた。手漕ぎに比べると風情に欠ける。いつ来るか分からない手漕ぎを待っていてもと、とりあえず撮っておいたのが標題写真。三上山は対岸の木と木の間から見えるという構図で、撮影位置はこの小さい橋の真ん中付近数mの範囲に限定される。自分は位置を変えられない。近づいてくる船に対して与えられた選択肢はレンズの長さだけという難儀なところである。
写真ステージ 「近江富士」
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