近いススキ

西の湖から琵琶湖へ流れ出る長命寺川。右岸沿いの道路は湖岸道路の一部となり、車の往来がひきももやまない。それに対して反対側の左岸は砂利道で、晴天が続くと砂ほこりが舞い上がる。いまどき車が通るぐらいの道路で何で砂利道なのか。何か事情があるのだろうが、雨が降れば泥はね、降らなければホコリ、どちらにしても車は超スロー運転を強いられる。
いまの長命寺山はかつて琵琶湖に浮かぶ島だったという。長命寺川左岸のこのあたりはかつて内湖であったところで、埋め立てられていまの状態になったとか。素人の私などは、陸地になればすぐに有効利用ができるように考えてしまいがちだが、農業に適したいい土にするには一朝一夕にはいかないのだという。いまも下流の運動公園近くで土壌の入れ替え工事が行われている。
そんな状態だから農作業のクルマもほとんど来ない。このススキも道端のものだが、気楽にゆっくり撮れる。この日は雲一つない快晴だった。当然風もない。こんな状態のときが写真としてはいちばん困る。晴れ上がった青空を水平方向に見ると白っぽく曇り空に見えるのである。遠望は利かないし、手前は黒く写るし、手前のススキの白さがせめてもの救いだった。
写真ステージ 「近江富士」
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