狐からの贈り物

国道477号音羽交差点から、県道182号を西明寺へ向かう。バス道が集落へ入って、突き当りが西明禅寺である。もう何年ぶりだろう。たしかあいあい滋賀の『三上山物語』で使った記憶がある。だとすると数年前、それから1,2回来たかもしれないが、遠のいていたことは確かである。後で考えるといつもは突き当りから1本手前の道を左へ曲がっていたのだけれど、このときは何を勘違いしたのか、突き当り、西明禅寺の石段下を左へ曲がった。と、神社があって目の前が大きく開けている。狐につままれたとはこのこと。自分がどこにいるのかわからないくなった。しかし、風景は文句なし、右の鏡山から左の十二坊まで、思っても見ない風景が広がっていた。
鏡山から十二坊まで、この風景はたとえば蒲生町あたりからも見える。しかし距離が近いため、どうしてもレンズが短くなる。その上に標高が低いため三上山は奥へ引っ込んでしまい、お世辞にもいい風景とは言えない。そこへ行くとこちらはとにかく遠い。その上に標高が高い(410m)。三上山の左後ろが比叡山。と書いて、?よく見るとその奥にもう1つ見える。となれば愛宕山しかない。愛宕山といえば、その昔フィルム時代に永源寺近く、いまの東近江市甲津畑から撮ったのがあるが、これだけ広い風景の中で三上山と愛宕山が一つ画面に収まるのは初めてだった。これはまさに狐からの贈り物だった。
写真ステージ 「近江富士」
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