雨桜

いままでは、雨なら前で仕方がないじゃないかと思っていた。止まない雨はないのだし、晴れたときに行けばいい。いまもその考え方は変わらないが、きのう、降り続く雨を見て、きょうみたいな日に撮ったらどうなるだろうかとふと思った。暗い山ぎわをバックにすれば色は出るだろうが、私の場合はどうしても空がバックになる。むちゃくちゃ黒い雲なら別だけれども普通の曇り空では結局はシルエットになるだろう。雨もまず写らない。でもまあ行ってみるか。
花緑公園ほどではないにしても、いつも行く桜緑地にも、お花見組が進出してきた。それだけ花がしっかりしてきたということだが、そんな中をカメラを持って歩くのも気が引ける。雨の日はその点気楽。しかし、写真は片手で撮れる時代になったとはいえ、レンズを回したりするにはどうしても両手が必要になる。そんなことよりとにかく右手が疲れてくる。
もう亡くなられたと聞くが、30数年前、一時ご縁があった堅田のO氏は病気の後遺症で右半身が不自由だった。カメラを左手用に改造して、「滋賀の百祭」、上下2巻を出版された。いまと違ってフィルム時代、そのご苦労がしのばれる。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

