若桜物語・10

「蔵通り・寺通り」も終わりに近くなった。事務員さんと、オジサンに出会った以外、人には出会わない。と、そこへ猫が飛び出してきた(標題写真)。「猫の子一匹いない」という言葉があるが、猫はいた。しかし人はいない。
この「蔵通り・寺通り」はメインの仮屋通りとほぼ平行に走っている。ところどころに両者をつなぐ小路があったり、空き地があったりして意外と行き来はできる。(もう1枚)。
いまとなってはどこでだったか記憶は怪しいが、仮屋通りへ出てみた。車も通る広い道だから散策するのには二の足を踏むが、ところどころに立派な民家が並んでいる。そのうちの一軒、観光パンフレットにも載っている民家の前へ出た。可愛い女の子が軒下で遊んでいた。一人で遊んでいるはずはないがと、場所を移すと柱の陰からもう一人が現れた。まあ、とにかく静かなところである。
観光パンフレットによれば、
・・・・明治18年の火災後、「家は道路端から一丈一尺控えて土台を作ること。その土台から四尺の仮屋(ひさし)を付け、二尺の川をつけること」などが決められました。現在はとぎれとぎれになっていますが、当時は700mから800m連なっており、雨の日でも傘なしで通り抜けることができました。・・・・とある。「仮屋通り」名称の由来である。
写真ステージ 「近江富士」
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