遠い比良

週間予報がオレンジベースになってきた。正式な梅雨明けがあったのかどうかわからないが、感覚的にはやっとという感じ。実はこの写真1週間ほど前に撮ってはいた。しかしあの11号騒動の中では使うわけにはいかない。そのままお蔵入りになっていたもの。南桜の農地から撮ったもので特に珍しい写真ではない。ボク個人の感覚では今日は比良山(左側の遠い山)がきれいに見えるなというところ。見てくださる方からすれば、雪の比良山ならともかく、夏のこの時期、何が比良山かというところだろう。確かにボクもそう思う。しかし梅雨明け前後のこの時期、青い比良にも懐かしさを感じる。
20歳代前半、山へ行きだして間なしのころ、行くとすればやっぱり夏だった。琵琶湖の向こうに比良山が見えるはずだ。夜行でない限り満員列車の窓から西の方を見つめていた。しかしそれは見えることはなかった。東海道線からは見えないのかもしれない。そんな勝手な想像までした。野洲へ引っ越してきて真夏に見た比良山。なんや、見えるやんかという思いだった。年に2回や、3回、昼間の列車から見えなかっただけの話だった。冬の比良はいい。しかしなつかしさという意味では青い比良の方が強い。遠い思い出である。あのころに読んだ『青い山脈』(石坂洋次郎)の文庫本が、書棚の隅でほこりをかぶっている。
写真ステージ 「近江富士」
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