崩れる風景

川田大橋からである。放水路が完成してずっと、ここからの風景がこの工事が作った最高の風景であると思っていたが、残念ながらここ数年はその状況が変わってきた。その理由は大きく分けて2つある。
一つは右岸(上流から下流を向いて右側)野洲市竹生に住宅地が開発されたこと、これによってずっと画面の中で続いてくる堤防林が途切れて風穴があいてしまった。これは人工的な現象である(標題写真の左端)。
もう一つは河道の変化。工事が完成、通水が始まったころは河床一面に水が広がって流れていたが、それがだんだん狭まり、流路が確定してくる。こうして流路が蛇行するようになる。こういう状況が長く続いていたが、何年か前の台風のときにそれを一気に押し流してしまった。いまはほとんど右岸河川敷沿いに橋の下流まで一気に流れ下ってしまっている。それによって撮影位置も左へ寄らざるを得ず、右岸に開発された住宅地が画面に入ってくるようになった。今の写真を撮るのに気合が入っていないことも事実だが。
写真ステージ 「近江富士」
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