白い朝

教室の皆さんが撮ってくる写真が変わりだした。マンサク、ウメ、ネコヤナギ。守山、成人病センター前のカワヅサクラも満開だとか。春の色だ。そんな中でこの風景も春。JR琵琶湖線野洲川鉄橋、風景全体が白い。撮影は中山道野洲川橋南西畔。守山側と書けば分かりやすいのだが、口でしゃべるのはともかく、文章で書くのははばかられる。実はこの一部だけ右岸も左岸も野洲市だから話がややこしい。左岸(野洲市から見れば対岸)、守山市域にくっつくようにある野洲自動車教習所がその代表的な例。以上余談。
さて、ここに2枚の写真がある。1枚は大きなケヤキの木越しに見た三上山。もう1枚は2本の大木に挟まれた三上山。これら2枚、いや標題写真を含めるときょうの3枚はほとんど同じ場所からの撮影だということ。撮影者の私がいうのだから間違いはない。しかし、これから50年100年たったとき、何の説明もなしにいきなりこれらを見せられたら、それぞれが同じ場所だということが見極められるかどうか。
2本の木の方に鉄橋が写っている。その鉄橋は標題写真の鉄橋とよく似てはいるが、しっかり見れば全然別物。これが同じ野洲川鉄橋だと判断できるかどうか。そして大きなケヤキ、これはますます困難。ほとんど場所を示すものがない。わずかに下端、木の左と右に電柱の先端と碍子がわずかに見える。それが2本の木の写真に写っているものと同じものだということを見抜いてもらえば、ことは解決する。新旧鉄橋の見極めと山の形。できれば三上山以外の山が見えるといいのだが、標題写真ではまず駄目。難しい写真だ。
写真ステージ 「近江富士」
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