不運な写真

標題写真は1980(昭和55)年5月の撮影である。その年の夏、京都三条寺町角のギャラリー”とーべぇ”で開いた2回目の個展に出展した。タイトルは「屋根光る」。撮影地は守山市水保町、明富中学校の前であった。ポジカラーで撮ってはいたが、ダイレクトプリントはまだできずインターネガを起こしてプリントしていた。その後のしゃきっとしたポジポジのダイレクトプリントに比べると画質の甘さは否めなかった。
実は昨日見てもらった旧今浜橋跡からのメタセコイヤの写真を撮っての帰り道、この風景に36年ぶりに再会した。それがこの写真である。”再会”というと、今までこの風景が神隠しにでもなっていて、天岩戸から現れたように受け取られるかもしれないが、今の時代そんな馬鹿なことが起こりうるはずはない。1980年以来ずっとそこに存在し続けたにもかかわらず、私が見逃していたのである。
煙抜きのある堂々たる日本建築、今回このデジタルの”再会”写真を撮った時、半信半疑ながら、ここがあの「屋根光る」の現場だったのではないかと思った。帰ってから、私のHPの「三上山風景事典」を使って。”守山・民家・屋根”で検索してみた。この標題写真が出てくるはずだった。それが出てこないのである。やっぱり違うのか・・・・。
実は、この「三上山風景事典」は、私がまとめた4冊の写真集と、その後、あいあい滋賀に連載した『三上山物語』をデータベース化したものである。当然、この中に入っていると思い込んでいたのだが出てこない。原版はフィルムである。これを確かめるのは簡単ではない。以下明日。
写真ステージ 「近江富士」
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