人工風景

野洲川が真正面から流れ下ってくる。守山市新庄大橋からの風景である。晩秋から初冬にかけて、ちょうどいまごろの季節、快晴の日の出前後に川霧が発生する。その夢幻の風景は忘れがたい(2008年11月撮影)。標題写真はズボラ老人の昼前の写真。日の出のころであろうと昼前であろうと、ここでつらいことは少し上流で川を渡る高圧線。2枚の写真にもよく見ると写っている。とにかく長いレンズは禁物である。
いずれにしてもこの風景、右側に見える工場の建造物を除くとどこにも人工物がないかのような錯覚を起こす。ほかでもない、この風景は野洲川放水路、この風景自体が人工風景なのである。工事の完成時、一つ上流の川田大橋から河床一面に広がる流れで満足し、こちらまでは足を延ばさなかったのが悔やまれる。過ぎ去った風景は戻らない。
写真ステージ 「近江富士」
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