動かなかった山

誰が見ても電車の写真、三上山はないぞと首を傾げるはず。導入部がないとこの写真は成り立たない。
県道2号が家棟川をまたぐ少し南に、”北村”という感応式の信号がある。ここから見る三上山は田中山と妙光寺山の重なりの奥から上半身だけを見せている。野洲図書館前、新幹線と在来線の間の農地から見たのと同じ構図である。何気なく撮ったのだが、県道に直交する細い道を在来線にぶつかるまで歩いてみようかと思った。
少し行くと朝鮮人街道に近づく。田中山の左奥に菩提寺山、さらにその奥に阿星山が見える。すぐに朝鮮人街道と交差。江戸時代に朝鮮通信使が通ったことからこの名がある。三上山は田中山に近づく。ここまでは経験済み。このあと三上山がどこまで動くかである。あわよくば田中山の左へ出てこないかと期待する。左に見えている跨線橋が右へ動いて、三上山が田中山の左へ回ってくると面白いのだが。
結果、手前にある跨線橋はぐんぐん動いて画面右外へ去り、遠くの三上山は思ったほど動かず、まだ余裕があると思った道は家棟川にぶつかて終わってしまった。結局、田中山の双耳峰の間からテッペンだけをのぞかせてお茶をにごした次第。といって電車の写真になるわけでもないし、どないしても無理ですな。
写真ステージ 「近江富士」
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