釣り船遊ぶ

堅田浮見堂北方、はっきりしない天気だが、釣り人は楽しそう。ワタシらの子供のころは船の上で立ってはいけないと教えられたものだが。今の釣り船で座っている人はいない。と、きょうはそれぐらいにしておいて、これからが本論。きのうの余談の続きである。
もう一度きのうの写真を見てもらおう。真ん中にあるのがレンズであることは一目瞭然だが、メモリがあるわけではなし、おい、ちょっと待て、ワシは「目盛」と打ったんじゃ。・・・それにシャッターなどの造作もない。第一、右上にへばりついている割れたガラスの意味が分からない。そこまで見て、蛇腹の向きがおかしいのに気がついた。これではレンズが引っ張りだせない。カメラを裏から見ていたわけだ。
裏表ひっくり返して、蛇腹を伸ばしたのがこの写真。蛇腹が破れて、全体はほこりまみれ、何とも情けない状態だったけど、その当時はこれで家一軒分といわれた高価なものだったはず。そのそばに乾板(Dry Plate)が入っていた箱が置かれていた。その後のフィルムに相当するものだが、ものの本によるとそれ以前は湿板、カメラマンが液を調合してガラス板に直接塗って…という時代があったとか。いずれにしてもどなたかが寄付されたものだろうが、すごいものを見せてもらった。
感激して横を向いてビックリした。ワープロである。おい、ちょっと待てよ。これならワシ使ってたぞ。50歳前後だったから、いまから30年ほど前か。置いてあったのはNEC製だったが、ワシのはCanon製だった。上にでかいブラウン管が載っていて、フロッピーを差し込んで・・・・。文章を打っていて、漢字のところへ来ると「漢字初め」を打って、打ち終わると「漢字終り」。当時は手で書いたほうが早いといわれたものだが。そのワープロが乾板カメラと一緒にこの部屋に放置されている現実。改めて時代のテンポの速さに驚いた。そうか、ワシももうこの部屋に入るべき人間なのだ。植木等が生きてたらこの部屋でどんな歌を歌ったやろね。
写真ステージ 「近江富士」
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