木は伸びる

守山市川田町、野洲川放水路左岸。河川敷のオギが見ごろだろう。去年は気がついたときにはもう枯れてしまっていた。今年はまだ10月初旬、まさかそんなことはないだろう。行ってみて驚いた。?・・・・、風景が狭い、対岸が見えないのである。こちら岸に木が増えて風景を塞いでいる。こんな大きな木がいっぺんに伸びるはずはないが。
気になって以前のを引っ張り出してみた。去年は上で見たとおりだが、もう木は伸びていた。十分見ていなかったことになる。2013年11月。4年前だけど、木は生えてはいる。しかし対岸は見える。2011年10月。13年とさして変わらない。2007年10月。いまから10年前。きれいだったなー、このころは。オギの穂も整然としていた。木が生えてはいるが、10年後対岸への視角が塞がれるまで伸びるとは考えてもいなかった。こうして年々風景は変わっていく。
写真ステージ 「近江富士」
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ふさがれる風景

野洲川堤防上の道路から見た市三宅の集落である。この道路は旧野洲川堤防の名残で両側に樹木が多く、見通しは利かなかったが、道路が改修されると同時に集落側が切り開かれ見通しがよくなった。最終的に最後の1本が切り倒されたのが今年の3月末。そんな立派な木は残しておけよと思ったが、とにかく眺望はよくなった。
今はそれからひと夏過ぎた半年後。夕方から急に晴れて来たのに誘われて行ってみた。いったん切り払われたはづの竹が伸びている。もう1枚。住宅を食い始めている。クズのツルも元気元気。稲刈り後のわらを束ねて並べてある。のどかな風景が何とも息苦しい。標題写真はその竹とツルの幾分かでも勢力の弱い隙間から垣間見た現在の風景である。来年はこの風景が見えるかどうか。
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小さい山

国道8号を三上山山麓から北上すると、市街地を外れたあたりに大篠原西池前という信号がある。あまり目立たない交差点で、今、地図を見てこんな名称だったのかと改めて認識したような次第である。そこを折れると新幹線までの間は両側に工場が並ぶ。最近道路が整備されて走りやすくなった。30数年前、工場が歯抜けだっただったころ、この道路から三上山が見えた。もちろん今はダメ。
工場の間の道を通って裏側へ回ってみた。田中山(右のラクダのコブ)の左に小さく見える。小さいのは仕方がない。とにかくもう少し左へ寄せたら何とかなると、畦道を歩いて撮ったのが標題写真。麓の集落は小堤。その向こう、山の麓を国道が通っている。ワイドにすれば左端に城山(右下がりの台形)が大きく見える。しかし何を撮ったのか分からなくなる。
帰り、もうちょっと山が大きくなる場所はないかと探してみた。とにかくバックすればよい。標題写真の場所は後ろがすぐ工場。仕方がないから、先ほどの道をバック。工場の反対側の農地から。山は大きくなったが、右へ寄ってしまう。あとは工場に挟まれて元の道に戻ってしまう。やけくそで信号を越えて反対側へ。行けるところまで行って振り向いたところ。これを本気で使おうとは思わないけれど、山が大きくなったことは事実のはず。
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電線地中化工事中

「野洲市役所前」交差点。野洲駅前から国道8号へ向かう正面道路が野洲中央道と交わる。右手前の角は駐車場になっていたが、奥半分に圧縮されて空き地になっている。今、この正面通りで電線地中化工事が行われている。駅前広場や文化ホール付近ではすでに終わっている。それはわかるけど電線いっぱいの正面通りを撮っても仕方がないじゃないか。イヤイヤどういたしまして、地中化が完成した時に、電線があった時はこうだったと示すために、記録としてこれがないと困るのです。
駅前広場などは電線があるから撮らなかった。なくなってから電線があったころはどうだったか。その記録が残っていない。現に右奥に見えている空き地、もともとは民家が建っていたはずだが、今は記録もない。民家があれば山は見えないから撮るはずはない。イタチごっこである。これはなくなりそうだという嗅覚があればいいのだが。
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なくなってこそ

野洲駅前から正面通り、一つ目の信号・滋賀銀行の角が朝鮮人街道である。そこを右折して数10m進んだ左側。クラシックな門柱があって、「駅前サウルス公園」とある。XXサウルスなどと、恐竜に使われる言葉のはずだが、なんでこの公園が”サウルス”なのかよくわからない。以前はここに重厚な2階建ての木造建築が建っていて、幼稚園の園舎として使われていた記憶がある。それ以前は郡役所だったというが、その時代のことは私は知らない。由緒ある建物、残してほしい気もするし、なくなってこそ見える三上山でもある。
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山が重なる

あまり深い思いはなかった。あの光っているのは何だろう。ビニールハウスか、それともいまはやりのソーラーパネルかと思ってシャッターを切った。それ以外には、あえて言えば前山が低くなって三上山が大きく見えるぐらいだったろうか。『近江富士遊々』の取材で夕日のポイントを探していてこの道(県道508号)に気がついた。最近もみじで有名になった東光寺の名前も知らなかったころである。
手前の森の状態から考えると、もう少し右から撮った(三上山を右に寄せた)方がよかったかと反省しながら、写真を拡大して驚いた。何とまあ、山の重なりの複雑なこと。右半分は比叡山が見えるだけだが、左半分の複雑さはどうだ。あえて言えば、この複雑さは知ってはいたが、ここから見て鏡山(三上山の右、一番奥)と雪野山(鏡山の手前)がこれだけきっちり重なるとは。ちなみに、同じ道を600m右へ寄ると、両者はこれだけ離れて見える。
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鳥が一羽

守山市十二里町、守山市民ホールあたりから、琵琶湖寄りに進んだところにある小さな集落である。もう少し南の方へ行くと栗東町に十里などという地名がある。一方、旧中主町には五条・六条など。どちらも条里制の名残りかと思うが、基本的な知識がないからなんとも・・・。
田んぼのふちの松の木を前景にとカメラを構えていたら、近くの木陰から鳥が2羽飛び出してきた。そのときの1枚。ファインダーでは2羽いたはずだが、実際に写ったのは1羽だけだった。あの鳥は何だったのか。カラスやトンビではない。もうちょっと小ぶりで、写真を拡大すると背中が白かった。これで名前が分かると楽しさが倍加するのだが。鳥の左下、山の右裾の建物は成人病センターである。
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