真野浜無人

大雨続きで手持ちの写真がなくなってきた。無人の真野浜水泳場。6月、曇天の日の撮影である。といっても特別話題があるわけでもない。ずーっと昔このあたりから撮った写真があったのを思いだした。1987年10月の撮影。三上山を撮りだして5年目ぐらいである。意識して撮ったわけではないが、標題写真と同じ範囲が写っている。今回の標題写真では何も書くことはないが、昔の写真では見てほしいポイントがいくつかある。
まず琵琶湖大橋。画面ではわからにが、まだ片側の1本だけだったはず。守山側のビルは1棟だけ。そしてしっかり見てほしいのは観覧車。ベトナムへ行ったイーゴスかと思われるかもしれないが、そうではない。あれはもっとでかかった。場所が基本的に違う。あれは堅田側だった。この写真で見えているのは守山側。そう、守山側にも遊園地があったのです。古い話である。
写真ステージ 「近江富士」
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唐崎の湖岸

唐崎神社の境内である。湖岸に厚マツと石灯籠。何も考えずに適当に撮ってきたのだが、どうも選定の直前らしい。松葉が茂って真っ黒に見える。松は日本的風景として絵画などにも描かれ、大切にされているが、剪定されずに放置されるとどうにもならなくなる。
そんなことを考えながら絵を見ていて、三上山のバックに見える両翼を広げたようななだらかな稜線が気になりだした。その稜線を問題にするなら、別の写真があった。左が鏡山、右が十二坊。きれいな線であるが、細かく言うと、その手前に菩提寺山が出てきて妙な形になっている。やっぱりこれはこの稜線をもうちょっと左へ寄せた、坂本あたりからの方がすっきりするようである。どちらの写真とも、何も決まらない中途半端な写真である。
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迷惑な話

国道161号の唐崎1丁目南交差点から湖岸までの間に新しい住宅地がある。その裏にちょっとした空き地があって一部が児童公園などになっている。住宅地ができて間なしのころはその公園から広々とした琵琶湖が眺められたが、いつの間にかヨシなどが増え、眺望は狭くなった。
その公園でのこと、60年代の男性に「こんにちは」と声をかけられた。返事を返しながらふと見ると、両手で持ち上げたスコップにでかい魚が載っている。全長40cmはゆうにあろう。「でかい魚ですな」と反射的に声が出た。と同時に、先ほどから何となくただよう腐臭の原因はこれだったのだと納得した。「釣った魚をこうして置いていくのですわ、向こうにもう1匹あります。ええ迷惑ですわ。流れついてくるのもあります。釣りあげて、写真なんかを撮って、死んだやつをほかしていくのですわ」。
魚釣りには関心がなく、何も知らなかったが、そんな問題が起こっていたのか。自分の趣味で他人様に迷惑をかける。人がたくさん集まる撮影地では、怒鳴り合いもあるとか。畦道を歩いていて怒鳴られた経験者もいると聞く。絶えず注意しているつもりだけど、見方によっては迷惑をかけていることも皆無とは言えまい。要自戒。
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隙間から

唐崎神社の少し北に、唐崎緑地という県営公園がある。何回か行きながらうっかりしていたのだが、その敷地の南端を細い川が琵琶湖へそそいでいる。幅2mぐらい、若い人ならその気になれば飛び越せるぐらいの川である。その隙間を通して三上山が見える。左側の岸がご覧のように芝生敷きになっていて、湖岸まで自由に往復できる。ちょっと考えれば、そこを進むともっとよく見えるのではないかと思うが、10歩も進むとこれはダメだとわかる。
歩いている道は国道から離れた里道でクルマの離合がやっとという道幅。実は最初この写真を撮った。これがその道の琵琶湖に近い側からの撮影。それに対して標題写真はその道の琵琶湖から遠い側。4,5mバックしたことになるが、何がどれだけ違うのかといわれそうだが、よく見るといろいろ違いがあるはず。標題写真の方が三上山が少し大きいはず。大きく見えて、”それが何ぼのものですねや”といわれたらそれまでだが、私が言うてるのは、山の1mmゃ2mmの大小のことではなしに、山と周囲の木の大小関係についての考え方の問題なんです。
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整地始まる

我が家から新幹線をくぐって直進する道路が、農地を「田」の字に見立てた場合の真ん中の「タテ線」。今回の撮影場所はくぐってすぐの農道を右に折れたところ。見えている部分は「田」の字の右下の四角の部分。農地を数学のx,y軸で区切ったグラフに見立てた場合の第2象限に当たる。
農耕が停止されてから随分長く放置されていたが、とうとうこちらでも整地が始まった。きれいな土がはこびこまれ、丁寧に敷き詰められていく。なにしろ最近の工事は早いから、うかうかしていると次の段階に進んでしまう。撮影場所の位置関係は高圧線鉄塔と三上山の右に見える菩提寺山だと考えているが、これも工場が建つと意味をなさなくなる。苦しいところである。
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遠雷を聞きながら

国道1号林西交差点から200mほど野洲川の方へ寄ったところである。アーチ形の歩道橋が異彩を放ている。写真はその歩道橋の中段から撮ったもの。走っているクルマは国道8号野洲川大橋南詰めからやってきて、林西交差点へ向かっている。
夕方の斜光をイメージして家を出たのだが、急に曇ってきて雷が鳴りだした。梅雨末期の夕立3日。そういえばきのうも夕方ザーッと来た。こいつがすぐ頭の上へ来るとは思えないが、信号機と同じ高さにいること自体何となく気色が悪い。また天気を見定めて改めて・・・、新聞種にならないうちに引き上げたことは言うまでもない。
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構造物が消えた

野洲川大橋南詰、 国道8号と交差する堤防上の道路である。信号待ち中に撮った写真である。従来、対岸の野洲市側、橋の上流側に杉江組という砂利業者の構造物が目立っていた。たとえば野洲川大橋と三上山とを組み合わせても、対岸に大きな構造物があって、いつも二の足を踏んでいた。それがきれいさっぱりなくなっていた。どんな構造物かと問われても、さあすぐこれでしたととりだすことができるか、とにかく二の足を踏んでいたものである。おいそれとは出てこないような気がする。詳細はまた何かのときに。

新聞によると米原市の竜巻が午後1時40分ごろだという。あの雲があの速さで動いたとしたら、時間は合う。竜巻になる状態の前段階だったのではないかと考えている。
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