帰り道

安土城考古博物館からの帰り、遠くの民家越しに三上山が見える。この道へ出るとどうしても1枚撮りたくなる。そして思う、山がもうちょっと左にあればと。ご覧のように片側一車線の直線道路で、ほとんど車が通らない。周囲360度遮るものがないから、ちょっと後ろを注意さえすればこんなアホなことも可能である。ただし、すぐ後が十字路で左右からも車が来ることがある。これさえ注意すれば1枚や、2枚のシャッターは心配なく撮れる。
この道を走ると、不思議に60年前の喜作新道を思い出す。山へ入って3日目、燕から西岳へ向かう喜作新道、山道だから当然上り下りはある。しかし、初日、12時間の登りに比べれば天国だった。そしてなによりも右前方に見える槍が岳の姿が秀逸だった。そして今、わずかに右へずれた三上山の位置が、あのときの槍ヶ岳と重なるのである。右へのずれもまたヨシ。以上、二度と山へ行くことがなくなった80爺のたわごとである。
写真ステージ 「近江富士」
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