清水山城主郭跡

「主郭」、聞きなれない言葉だけど、天守閣ほどではないが、城の中心的建物という意味だろうか。どこかに解説はあるのだろうが、私としてはここから見る三上山のほうが大切である。さあ、ホンマに見えるのか。上がり切るまでもなく見えてくるのは伊吹山。三上山はずーと右の方だ。木がある。見えない。パノラマ写真を見て、瞬時に三上山が発見できた人はかなりのものである。現場に立った私は、瞬間、本気で見えないと思った。そのあと、ゆっくり見直して、木の右端と白鬚神社の岬との間に沈み込むような姿を見てほっとすると同時に、何でという疑問がわき上がってきた。
パンラマ写真でなくても標題写真を見てもらっても同じことであるが、三上山は背後の金勝山系の稜線から頭の先端をほんのわずかに見せるだけである。以前、麓の大荒比古神社の近くから撮った写真は薮の間からではあったが、上半身を大きく見せていた。カシミールでも確認済みである。ここはそれよりも高い。もっと頭を出していいはずである。それがなぜ?。
よくよく考えてみると、わたしは今回自分で歩いてみるまで、地図上での主郭の位置が分かってはいなかった。それが分からなければカシミールでのシミュレーションは無理だ。帰宅してから改めてやってみた。金勝山系の一番低いところから頭だけを出している。考えてみればこれが当り前の姿である。おかしいのは、麓から見た写真だった。その日は三上山は見えるが、金勝山は見えないという中途半端な視界の日だったのだろう。それを裏付けたカシミールは何だったのか。カシミールには、描写最大距離を指定することができる。その数値が40Kmに指定されていたらしい。うかつだった。そのために金勝山系は描写されず三上山が独立して立っているように見えたわけ。その後ろの金勝山系に思い及ばなかった私のミスだった。と、まあいろいろあったけれども数年来の課題が解決できた。今年の一つの収穫だった。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

