水門

三上山を撮りだして40年、最近これをなぜ撮っておかなかったのか思うようなものがたくさんある。これもその一つ。地蔵さんの横にある水門である。もしこの水門が他の場所、たとえば田んぼの中などにあればに、少なくとも何度かは撮っていたのではないか。不思議である。それほど地蔵さんのインパクトが強かったのだろう。水門はむしろ邪魔者として見ていた。この写真の壁面に幅10cmほどの穴が開いている。そこへナマズが出入りするのを見たことがある。そのときは何も考えなかったが、ここを通って田んぼで出入りしていたのではないか。その通路も今はふさがっているはず。標題写真の左端に地蔵さんがちらりと見えるから、位置関係は分かってもらえるだろう。
もう1枚、この水門につながる水路である。これを撮ったのも、多分初めてだろう。倉庫ができる前なら撮っておいてもよさそうなのに、これをその気になって撮った記憶がない(綿密に調べればひょっとして撮っていたかもしれないが)。三面張りを嫌ったのか、例の倉庫を嫌ったのか。いまとなれば一つの記録ではあるが、左に見える杭から奥は当分は変化はなさそうである。
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柿の木終焉

昨日の写真を撮った後、例の柿の木のところへ回ってみた。遠くから見ると妙に見通しがいい。柿の木がなくなっていた。地蔵さんもなくなったかと目を凝らすと、それはまだ残っていた(標題写真・右奥の杭までがバイパス予定地)。地蔵さんはおそらくどこかへ移されるだろうが。一番左の地蔵さんの後ろに見える燃え残りが柿の木である。
私が三上山を撮りだした1970年代後半、山麓、国道沿いの建物さえ辛抱すれば、ここはえも言わぬ風景だった。右からの夕日を受けて、これはいまと同じ季節。もう1枚、春バージョン。(2枚とも原版はフィルム)。今思うと、この風景を撮れたとこは本当に幸せだった。というのはこのあとすぐ国道沿いに大きな倉庫が建った。標題写真にも見える肌色の建物である。こればかりはどう考えても隠しようがなかった。

つけたし。この40年間、地蔵さんの並びも微妙に変わっている。しかし基本的な位置は変わっていない。にもかかわらず、地蔵さんの大きさがだんだん小さくなっている。これは実は私の体力の問題である。道路と地蔵さんとの間に細い溝が1本ある。それをまたいでカメラを下げないと昔の写真は撮れない。あるときなどはゴム長を履いて溝に入って撮ったこともある。いまはそれは不可能だ。標題写真は道路からのズボラ撮りである。
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バイパス工事

1月のある日、三上の農道にトラックが3台止まっており、作業服姿の男性何人かが立ち話をしていた。見かけない風景で、何をやっているのかなと思って通り過ぎた。いま考えれば、それが三上の農地でのバイパス工事の始まりだった。11月20日にレポートした妙光寺での現場から700mほどしか離れていないのだから、やってきても当たり前だが、実際に始まってみるとやはりとうとう来たかという思い。
この農地は一辺が400m余りで、「田」の字型の正方形である。四辺は、三上山側が三上の集落、反対側が新幹線。かたや野洲川と並行に県道504号、野洲高側にその旧道。新しいバイパス予定地は、そのど真ん中を斜めに横切る。標題写真は中央の農道の十字の地点から三上山を見たところである。左右に横切る農道の向こう、パイプが重ねておかれているところがその予定地である。右側は黄色の重機から手前まで。私が定点としていた左右の農道は完全にアウト。写真を撮るには少なくとも重機よりさらに前へ出なければならなくなる。もしバイパスが土盛りになれば手前は100%アウトになる。
念のため付近のスナップを何枚か。標題写真で左右に伸びる農道の左手から。高圧線鉄塔が目障りで、従来は敬遠していた場所だが、耕されている畝の向こう、黄色の部分がバイパス予定地である。中央の農道を黄色の重機のところまで進んで、右後ろを振り返ったところ。画面左、奥へ伸びる線がバイパスの左端。重機の後ろから左へ伸びる線が標題写真で左右にクロスしている農道。この三角形が完全にアウトになる。もう1枚。左右の農道を右へ、2本の線の交点付近から振り返ったところ。左下に農道が見え、奥に先ほどの重機が見える。
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アホラシ

久しぶりに近場。野洲駅前、マンション・グランブルー野洲の前から。たまたま通りかかったので、適当に1枚撮っておいたもの。写真としては特に何の意味もない。あえて言えば照明灯の形の面白さぐらい。それよりも駅前といいながら、これだけの範囲に人が一人もいないのが不思議といえば不思議。これが田舎町・野洲のいいところ。やせ我慢だけど意識して撮ったわけではない。たまたまこうなっただけ。
無意識といえば、左の遠くに赤信号が見える。何も考えずに撮ったんだけど、よく写っていた。もしこれが点灯していなかったら、やっぱりこの写真は使えない。信号灯がLEDに変わってから、本当にこれが怖い。たとえばこんな写真。これもたわむれに撮ったのだがもし本気なら泣かなければならないところ。このときは4枚撮ったけれどほぼ全滅、参考のためにもう1枚。これも光が鈍い。しかしLEDだということがはっきりわかる。左端の横断歩道用のデザインもポジ(人物が青、地の部分が黒)になっている。
と、ここまで書いて気になりだした。ひょっとしてさっきの写真(標題写真)は?。信号の部分だけをアップした。横断歩道用のライトを見てほしい。ネガ(人物は白、地が赤)だ。なーんや、LEDではなかったのか。それなら写って当たり前。よく写っていたと感心していたのに。アホラシ。
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広い風景

方位36度線の付け足しのようなものである。愛知川と大同川の間の農地。36度線よりはかなり琵琶湖寄り。すなわち三上山に対して右側へ移動したということになる。城山・田中山の前山に対して右へ偏っている。初めての場所なので、全体がしっかりつかめていないが、多分地平線のように見えるところが大同川の堤防のはず。愛知川のように堤防林はなく、堤防自体の高さもさして高くないから見通しは利く。丹念に訪ねると意外な風景が隠れているかもしれない。。
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