雪の比良

日本海を低気圧が発達しながら北東へ進むとかでまた天気が荒れるらしいが、総体的に言えば今年の冬は暖かい。比良に雪があることが珍しい。そんな中でやっと撮影のチャンスがやってきた。毎年このシリーズをやらないと春が来ない。で、とりあえず甲西橋へ。左岸に甲西高校が建つ橋である。べた光線の正直な写真だが、比良の雪を撮るにはやはりこの光が一番である。その雪の量、降ってから何日かたってるはずだから、細かいことを言っても仕方はないが、とりあえず去年の写真と比べてみた。
調べてみると、記事としては2月27日付だが>撮影は2月21日だった。レンズの長さが昨年のほうが短かったらしく、山は小さく写っているが、雪の量はやはり昨年の方が多かったようである。これをやりだすとどうしても引っ張り出したくなる写真がある。雪の量が圧倒的に違う。1978年1月の撮影。下流の甲西大橋がなかったころの写真である。
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山の駅

高島市新旭町を南北に走る県道559号(かつての国道161号・いまは高島バイパスが161号になっている)に熊野本という小さな交差点がある。そこを山手へ折れると航空自衛隊饗庭野分屯基地に突き当たる。我々一般人がどこまで入れるのかもわからないし、何となく近寄りがたく入ったことはなかった。ところが昨秋清水山城址へ上ったとき、新旭森林スポーツ公園の案内板に自衛隊までの道路に「道の駅」があることを知りほんとかと驚いた。にわかに信じられなかったが、地元の案内板に明示されているのからまんざら嘘ではないだろう。
その気になって地図を調べてみた。そこへ行くまでにつづら折りがあって標高も結構高い。カシミールで読んでも「見える」という。すくなくとも確率はゼロではない。どこでみたのか今となっては記憶が怪しいが、近くに展望台まであるという。よし行ってみよう、これで見えなかったら、あきらめるしかない。
およそこのあたりだというところに確かにあった。入り口に木の柱が2本立っていて、中にはちょっとした広場があって車が2台止まっていた。「山の駅」だというが、まあ早い話が簡易駐車場だ。ワシが見たのは間違いなく「道の駅」だったがな。でも最近怪しなったから・・・。展望台も確かにあった。しかし木が茂っていて展望は利かない。もっとも普通の人は琵琶湖の一部が見えればそれでいいわけで、こんなところから三上山を見ようという変人はいない。木があろうとなかろうと関係はないのだろう。
標題写真は自衛隊への突き当り近く、立派な石垣に囲まれた草原からのもの。山の駅の案内板には「一の木戸」とあったから、清水山城の一部だったのだろう。標高250mほど、昨日の写真の撮影場所(麓の農地)が120mぐらいだから130mも高い。その分、後ろの金勝山系が伸び上がってくる。写真を撮る立場からするとそれがつらいところ。ついでにもう1枚。つづら折りが終わってから山の駅までの間から。山そのものの見え方は標題写真と変わらない。この日はとにかく見にくかった。
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カゲロウ?

天気予報を見ると全国的な快晴である。今週の月曜日(8日)も見事に晴れ上がっていた。場所は新旭町・清水山城跡周辺の農地。最初に考えていたところはイノシシ除けのネットで閉鎖されていた。開けて通ることもできそうだったが、木の茂り方などから見て無理だと判断した。そのあと近くの高台の農地を走って見つけ出したのがここ。畑全体がぐるりとネットで囲まれて、手前のネットはカメラの保持に使えても、向こう側のネットは隠しようがない、そんな場所だった。その上に昼前後の逆光。そこに見えるはずだと信じて探さなければ見えない。そんな時間帯に行くのが悪いのだけど・・・、そんな状態で撮ってきたのが標題写真である。横を向けば伊吹山がきれいな姿を見せているというのに、何とも情けない撮影だった。
帰ってPCで見直して、何ぼなんでもこれはひどいな。もうちょっとましに撮れていると思っていたのに。肉眼で見にくかったものを、きっちり撮れということ自体が無理なのだろうけれど、これは何ぼなんでもひどいぞ。画面を100%に拡大して見直した。「?」、鉄塔がおかしいのである。畑の向こうまで数10mはあっただろうか。そこに張られたネットがぼけている。その向こうの木からピントが合いだして、その奥の鉄塔だけれど、これはおかしい。鉄塔がこんなにぐにゃぐにゃしているはずはない。とすれば、これはカゲロウ?だとしか考えられない。時期的には少し早いようだけど。
写真というのは天気がよければいいというものでもない。それはわかっているのだけれど、カゲロウで泣かされたのは初めての経験だった。
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野々守大神

平湖へ行くたびに気になる塚がある。平湖から北へ200mちょっとのところ、志那集落のそばに立つ松の木を中心にした見事なたたずまいである。何回か挑戦しているが、やっぱり駄目だったというのが撮影後の思い、これは毎回変わらない。止めればいいじゃないかということになるが、季節が変わるとまた行ってみようかという気持ちになる。
いちばんの問題点は三上山と重なる電柱だが、こればかりはどうしようもない。塚には自然石に「野々守大神」と彫り込んだ神さんが祀られている。石灯籠が立っていたりするが、そこまで近寄ると三上山が小さくなり、遠くの桜並木にカバーされてしまう。とかくこの世は難しい。もう1枚。
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疑問符

冬の平湖。正直、もっとたくさん鳥がいるものと期待して行った。こんなはずじゃなかった、というのは僕の勝手な思いか。それが分からない。行ったのは昼前後だった。朝夕はもっといるのかもしれない。少ないのは今年だけのことで、例年だともっといるのかも知れない。シラサギも全く見えない。何時間なんて言わない、適当に待っておればやって来たものだけれどそれも見えない。すべて僕の思い違いで、冬なんてこんなものなのかもしれない。すべてが疑問符。
そうだそういえば、そばを走る通りの駐車場から直接湖岸へ入る道路を造っていた。その重機が入ったからか。でも、そういう機械音なら、湖岸道路を走る車の音が四六時中聞こえているわけだし。結局分からないことばかり。何でもそうだけど、適当な観察ではモノゴトは理解できないのだろう。
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遅かった

しまった、遅かった。といっても5分や、10分の話ではない。東海道線南草津駅開業以前の話であるから、いまから20年前、それ以前に撮っておきたかったという話である。だから今更どうにもならない話ではあるが、人間の悲しさ、20年はともかくとして、せめて5年前、10年前にやっておればと思うのである。
半月ほど前だったか、京都新聞にJR琵琶湖線、瀬田・南草津間の琵琶湖側農地が宅地化されるという記事が載っていた。そうだった、電車から見るたびに気にはしつつ、ほったらかしのままとうとう今まで来てしまった。ということで、意を決して先日行ってきた次第。大津湖南幹線沿い狼川と十禅寺川に挟まれた農地である。南草津駅周辺の高層ビルがどう絡むか、これが勝負だとは分かっていたが、想像以上というか案の定というか、撮影場所はエリアの中でもいちばん遠く離れた南笠町住宅地裏の1点だけだった。
一番遠い地点でかろうじて撮れたのだから、それ以上はいくら近づいても撮れるはずはないのだが、とにかく左に見える森まで歩いてみた。単なる森だと思っていたが、そこには小さな祠があり、南笠古墳との案内板が立っていた。そういえばその付近には小さな古墳風の木立が見える。高層建築さえなければここも狙えたのに。残念ながらいまはだめだ。
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日の出前

日の出前、東の空が赤い。空全体にごく薄い雲が広がっていて、それが色づいているようだ。場所は三上の農道、バイパス予定地が横切る中央の十字のところ。そこを20mほど左へ寄ったところである。斜めに横切るのがバイパス予定地である。山体の陰になっていてうまく隠れているが、左側に高圧線の鉄塔がある。昼間だと結構目立つ。それが嫌で逃げていたが、これからはそんなことも言っておれない。
撮影は一昨日の朝だったから5日。立春の翌日ということになる。何度か書いたが、立冬と立春の日。私宅の横の道路から見て、三上山の山頂から太陽が昇る。いわゆるダイアモンド富士ということになる。誰が言い出したのか知らないが、名称はどうでもエエ。理論上の水平線を離れるのが山の左裾。そのあと左斜面に沿って右上へ移動して、山頂から顔を出すという勘定である。このときはまだ日の出前で、太陽は左側の鞍部の水平線下にあるはず。肉眼で見ると右上に細い月があったが、残念ながら絵の中には入っていない。かりに入っていたとしてもワイドの写角ではどうにもならない話ではあるが。
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柿の木補遺

2日間にわたって地蔵さんと柿の木のことを書いたが、書きながら肝心なことが抜けているのに気がついた。切り倒された柿の木の位置がはっきりしないのである。もちろん細かく見れば昨日の水門と一緒(いちばん右、大きく見える地蔵さんのさらに右)に写ってはいる。しかし、これはついでであって、しっかりした記録とは言いにくい。ということで、昨日もう一度撮りなおしに行ってきた。それが標題写真である。
と言えば格好はいいが、これでもやぱりついでだったかと反省している。どれが切株やといわれても仕方がない写り方である。もっと上から行くべきだった。とまあそういうことで、ついでのついでを見てもらって、堪忍してもらうことにする。地蔵さんの背面から。同じく右側から。同じく左上から。こんな遊びができるのも今のうち。工事が始まればすべていっぺんにどこかへ消えてしまい、人間はそこに地蔵さんがあったことすられ忘れてしまう。ましてや1本の柿の木など。
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