白い道

未明にひと雨あったらしく、濡れた道路に朝の光が反射する。我が家の横の道路である。本当は田んぼの中の直線道路で撮りたいところだが、そこまで行ったときにはまずこの状況は終わっているだろう。イメージとしては空をもっと暗く落としたいのだが、太陽との兼ね合いでそういうわけにもいかない。どうしても太陽の光がいる。それも上がって少し経過してからの光。昇ったばかりの太陽光では黄色くなり、この白さは出ない。この絵の命は白さである。
問題は新幹線。シャッターを切った瞬間に飛びこんできた。入れてやろうとして入るものではない。本当は入ってないほうがいいのだが、せっかく飛び込んで来たものだからと使いたくなる。世間様でいう貧乏人根性、いやスケベ根性ですな。まだまだ修行が足りません。ハイ。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


比良淡し

きのうの甲西大橋、今回は左岸畔である。下流側の河川敷にグランドがある。先ほどまで男性が1人、黙々とランニングをしていたが、いつの間にか姿を消していまは無人。向こうの隅にゴールが無造作に並べられている。サイズが違いが2組。微妙に重なって見えるのが、ミロの版画を見るようで何とも楽しい。そして比良山。昨日の写真よりはこちらの方がクリアーに見える。画面の調整によるのかもしれないが、一番高く見える蓬莱山が右岸で見たよりは三上山に近づいたことによるのだろう。
◆滋賀県平和祈念館で映画「雲ながるる果てに」を見てきた。特攻隊員の出撃までの生活を描いたもので、その昔見たような記憶があった。解説によると昭和28(1953)年の作品だという。大学生のころで、講義をさぼってせっせと映画館通いをしていたころだ。1シーンでも記憶に残っているかと思っていたがまったくなし。ただ一つ、雨で出撃が延期された隊員の、”雨降って今日一日を生き延びる”という落書きだけが頭に残っていた。それも映像としてではなしに句そのものだけが。人間の記憶の不思議さ。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


比良かすむ

いつの間にか3月、きょうはもう啓蟄だという。今年の冬は結構雪が多かったような印象があるが、降るときにはどっと降るがすぐに解けてしまう。なんだかんだでまともな比良山の雪が撮れていない。このときも何となく霞がかかり、さてどんなものかと思われたが、こればかりは雪がある日でなければ話にならないし。
ここは甲西大橋、三上山と比良山とが並ぶ一番近い橋である。それでも雪の力は弱かった。その上に、1号バイパスが農道を越える橋が黒い口を開いて、なんとも妙な絵になる。それと今回強く違和感を感じたのが高圧電線。以前はこれほど邪魔にならなかったような気がするが、今回は特にそれが気になった。切り取り方によっては左右に門構えになる。それを避けたとしても電線そのものが邪魔をする。鉄塔の位置が変わったのだろうか。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


はて、ここは?

はて、ここは? 守山市内にお住まいの方でもお分かりにならないはず。図書館跡である。いつ取り壊されたのか定かでないが、建て替えるというニュースは新聞で読んだ記憶がある。先日ここを通ったら、きれいになくなっていた。
昔ここに○○があった、ということを写真で証明するのは難しい。特にそれが写真にとって邪魔者である場合、普通はそれを避けて写す。となると邪魔者の記録が残らない。私にとって守山図書館が邪魔ものだと思ったことはなかったが、いまこうして見ると邪魔者だったことになる。あと1年もすれば新しい図書館が建つ。この風景は新しく工事が始まるまでの期間限定。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


余徳

由良谷川の工事現場からの帰り、あとで地図を見返せば、たかだか200mほどで例のトンネルへ帰り着く細い道があったが、そのときは何もわからない。元の道を引き返した。道順からすれば、最後は旧東海道を歩くことになるが、情緒を別にすれば視界が狭く往復するほどのこともなかろうと、街並みの田んぼ側の小道を歩くことにした。その道には思っても見ないきれいな小川が並行していた。そして反対側の道沿いが細長い公園(夏見せせらぎ水路)になっていて、あずま屋も建っていた。世間様では9割引きで盛り上がっているが、こちとらは10倍増しで歩いているわけ。多少の余徳があってもいいだろう。
”みどりの丘の赤い屋根、とんがり帽子の時計台”、「鐘の鳴る丘」に出てきそうな尖がり屋根が見える。幼稚園か保育園かと近づいてみると「西岡農園」とあった。なるほど、他では見ない風景だった。これも余徳の一つですかな。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


工事現場

由良谷川の工事現場である。地図の上で測ってみると先ほどの旧東海道由良谷川トンネルから100mちょっとしか離れていなかった。早い話が工事現場の反対側へ行くのに約1.3Km、10倍以上の遠回りをしたことになる。もちろん初めから目的地をこの場所と決めていたわけではない。たまたま気がつけば今まで見たこともない初めての場所へ来ていたのだから、これはこれで楽しい遊びだった。
出来上がったらどんな構造になるのかわからないが、メインとサブに分かれるらしく、手前に大きく見えている階段状の部分がサブ、上流からまっすぐ流れ下るのがメインということになるらしい。一言でいえば川の左岸と右岸の差だけれど、山の位置が大きくずれる。こちらの位置では菩提寺山が主役になってしまう。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


夏見神社

三雲小学校の横を抜けて裏手へ回る。グランドがあって、スポーツ少年団かな、大人の指導者を交えて子供たちが野球をしていた。驚いたことにそこから三上山が見えた。先ほどのロダンなんてものじゃない。これでネットのポールがなければ、ちゃんとした写真になるところだった。まあしかしそれは仕方がない。いままで発見できなかった私の負け。
そしてすぐのところに鳥居があって、夏見神社だという。おかしいな、地図では川の向こうのはずだが。とにかくそちらへ回ることにすることにして鳥居をくぐった。灯籠などが並ぶ道を歩いて意味はすぐにわかった。石の橋がかかっている。そういうことか、地図には本殿の位置で示されていたわけだ。なかなか情緒がある橋だった。渡るにはちょっと勇気がいったけど。
と、感心していたのだが、この川が由良谷川じゃないのか。すぐ下の三雲小のグランドから三上山が見えた。これはひょっとすると。とにかく川下に向かって歩くことにする。歩き始めてすぐだった。川の向こうにぽっこりと。月はぽっかりだけど、このときはぽっこりだった。ぽっかりとぽっこりとはどこが違うのかといわれたら、うまく説明できないが。とにかくこのときはポッコリ。よく見るとずーっと先の方で工事が行われていた。これによって木が切られたことが、ぽっこりの理由だったらしい。工事が行われていなかったら、おそらく見えなかっただろう。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

