白の不思議

何となく梅雨明けの気配である。きのうはかなり広い範囲で激しいにわか雨が降り、けさは雲一つない晴天。天気予報では”猛暑日”を報じている。
野洲市南桜。例の尖がり富士近くの農地。鮮やかな緑の中で、遠くシラサギがエサをあさっている。農道を歩いているときには知らぬ顔をしていながら、立ち止まってカメラを向けるとさっと飛び立ってしまう。注意深さは天下一品。
それにしても緑と白の鮮やかな対比。普通、生物界は保護色とかで簡単に見分けがつかない色をしているのに、自分の存在を誇示しているようなこのシラサギの白、そして、白いが故の注意深さ。シラサギ自身、自分の”白”をどう感じているのだろうか。
写真ステージ 「近江富士」
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手ぶれ補正

今年の4月、開花直前に切り取られた桜の根っこである。つい最近ふと思いついていってみた。しかし、きょうは桜の話ではない。画面がなんとなく気持ちが悪いのである。皆さんはどう感じられるだろうか。山はまあ何んとなく写っている。しかし手前の草なんかはピントが合っているようないないような。何となく気色が悪い。ピンボケではない。といいながらしっかりぼけているところもある。
桜の切口である。上で述べたことと同じ、というよりその状態がさらにはっきりしてくる。原因は。カメラの手ぶれ補正が原因らしい。手ぶれはレンズ固有の問題である。たとえばワイドと超望遠。当然望遠の方がそのブレは大きい。普通はレンズそれぞれが手ぶれ補正を備えている。ところがボクが使っているカメラはボディー側にそれが着いており、使用するレンズの長さをセットするようになっている。いままで日常的に使うショートズームに合わせて50mにセットしていた。
ところが10日ほど前にカンムリカイツブリの浮巣を撮影するにあたって250mにセットした。望遠撮影はそれで何とかクリアーした。その後、その値を戻すのを忘れてワイド撮影をした。カメラは望遠並みの補正をしたからおかしなことになったということらしい。難儀なシステムである。
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落差工

野洲市冨波甲、野洲市総合体育館前の農地。中の池川の落差工である。最近は撮影場所は必ず”忘れる”ということを前提として仕事をしている。きのうの五之里の落差工を撮ってからこちらへ回ってみた。どちらも落差工を正面に見た三上山。風景の構造がよく似ている。こちらへ来てみて驚いた。樹木が茂って、全体の風景がほとんど隠されてしまっている。穴の中から落差工を見るような状態で、これでは5年、10年たって現場を知らない人が見たららお手上げだろう。
念のためにと少し位置をずらしてみた。背後の風景は見えてくるが落差工そのものの様子がもう一つ。もうちょっとずらして横の農道まで出るとかくの如し。トータルとしてはこちらの方が落ち着くが、落差工とは無関係の風景になる。世の中は難しい。
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落差工

もう少し進むと落差工が見えてくる。前方に見えているのが野洲市市街地の高層マンション群。”群”といえるかどうかはともかく、”我が家から たった5分で田園地帯”、これが野洲市の売りだと考えている。
昨日の標題写真に比べると山が大きい。昔の定焦点レンズで撮っていたころだとそれだけ山に近づいたことになったわけだが、いまはズームの一ひねりで大きさが変わる。これがまた5年、10年たったときに距離感を狂わす。昨日の写真と、きょうの写真、撮影距離は50m前後くらいしか違っていない。それでいながら前山の妙光寺山と三上山との光線の差がはっきり見える。記録という意味でこれがいいのか悪いのか。分かっていながらつい便利さに負けズームをひねってしまう。昔ありましたな。分かっちゃいるけどやめられない。
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付替工事

市三宅の旧野洲川堤防の竹には驚いた。そういえば五之里の童子川の付け替え工事のところ。細い針金をペンチで折り曲げたように直角に曲がっていたところを、緩いカーブに付け替えたところである。この現場、GoogleMapの〝地図”では直角に曲がっているが、”航空写真”ではカーブの様子が写っている(2017年7月現在)。前回来たときには白いクローバが咲いていたから今年の春のはずだ。市三宅とおなじように激変しているのではないかと心配になってきた。
風景の基本となるところが法事橋である。不思議な名だ。それはともかく、2か月前に比べて風景の大枠は変わっていない。ここからでもワイドで狙えばカーブは入ってくるが、絵としては落ち着かない。標題写真はこの橋からカーブの外側の堤防(左岸堤防)を30mほど上流側へ歩いたところである。左上、妙光寺山が横たわり、その右端から三上山がのぞく構図だが、空気の透明度がもう一つで、そこのところがはっきりしない。秋になれば、紅葉する前山の後ろに黒い三上山が見える構図が見えるはずである。
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竹が伸びた

うかつだった。今年の冬から春にかけて市三宅旧野洲川北流沿いの堤防が整備されて見通しがよくなった。それと同時に、目印だったケヤキの木も切り取られたのは誤算だったが、それはいまはおく。で、たとえばこの写真。 3月20日の撮影である。手前の竹が全部切り倒されている。同じく4月9日の撮影。この桜が新鮮に見えた。そのあともこまめに狙ってみようと思ってはいた。ところが5月、6月はうっかりご無沙汰。堤防上の道路は何度も通りながら遠くばかりを見ていたことになる。
そして昨日。7月8日に行ってみて驚いた。手前の竹がすごい勢いで伸びているのである。竹は古い家なら屋根を突き破って伸びる。話に聞いていたけれど、こんな生命力を持っているとは思ってもいなかった。たった3か月足らずでもう見通し利かなくなっているのである。かろうじて隙間を見て撮ってきたのが標題写真。この写真と前出の2枚とが、同じ場所からの撮影であるとの証明は、三上山とその左の妙光寺山の稜線が交わるところ、その交点と駅前に建つマンションの右肩とがその一点で交わっていることである。光線状態が揃わないので、それぞれ見え方が違うが、注意して見てもらうと見えるはずである。
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緑一色

野洲市野田、国道477号が家棟川を渡る近くである。今年の春、4月初めだったか、「折れた木」としてレポートした。茶色一色の中で花のピンクだけが際立っていた。いまは夏、田んぼも木も緑一色である。
2,3日前、畑帰りのTさんが、「ジャガイモいらんか、よーけ採れたんや」と声をかけてくださった。たしかもう90歳近くのはずだけど、お元気そのもの。
「今、田んぼで拾てきたんや」、見ればバケツの中にジャガイモならぬでかいコイが1匹。
「どうしゃはったんですか、こんなでかいの」、
「田んぼに入っとっから、つかまえてきたんや」、
「あんな広い田んぼで、どうして追いかけはったんですか」、
「もう、田んぼに水あらへんがな。きのうの雨で水たまりができとった、そこへ川から飛び込んで来よったらしい」。
そうか、もう田んぼに水はないのか。そういえば写真の田んぼにも水はなさそうだ。水面の光り(反射)はない。
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麦刈りの跡

国道477号と県道32号の交差点。表示には「兵主大社南」とある。いちばん近い建物まででも50mほど離れており、田んぼの中の交差点という印象が強い。その中の一画、南側の農地を歩いてみた。イネが順調に伸びている中で、遠く刈り入れが終わった麦畑が線状に伸びる。
その麦刈りのあとに近づいてみると、ほとんどが茶色の単調な色にくすんでいるのに、一か所だけ黄色をベースにして、そこに新しい草の優しい緑が紗をかけたように混ざり合って、爽やかな表情を見せていた。これが標題写真である。麦の種類がここだけ違っていたのか、刈入れ時期が違ったのか。素人の私にわかるはずもないが。
*06日・07日両日、「二之宮神社」と書いたのは「三之宮神社」の間違いだった。「二之宮神社」は西河原の中主小学校のそばにある。
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