方位36度線・6

36度線はJR琵琶湖線の北西側(琵琶湖側)へ抜ける。越えたところは近江八幡市の市街地。三上山を見ることそのものが不可能である。県道2号を北へ走る。市街地を出て浅小井町あたりで県道をも越える。香庄交差点を左折。曲がって200mちょっとのところがポイントである。実はこの辺りはかなり以前から水道管保護のため通行禁止になっていた。それがつい最近解除になって車が通れるようになった。そういうことで道はきっちり整備されている。想像していたより集落が近い。山が屋根の上にかろうじて見えるぐらい。と同時に高層建築が見当たらない。不思議に思って地図を調べると浅小井町の集落だった。
もうちょっとバックできると集落を小さくできる。後ろを振り向くとナノハナが咲いているのが見えた。「ヨシ、あれを前景にして」と農道を走った。36度線上を走る農道はない。稲妻状に走るわけだが、菜の花の場所へ着いたら、山との間にビニールハウスがのさばり出てアウト。注文どうりの場所に見えたが、そうではなかったらしい。残念。
写真ステージ 「近江富士」
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方位36度線・5

JR近江八幡を出た下り電車が白鳥川の鉄橋を渡り、少し行くと踏切を越える。結構大きな踏切で、警報機が鳴りだすと手前にクルマの列ができる。近江八幡駅から1Km足らずのところである。撮影地点の近くに「ひよの朝市・・・」とあるから、”ひよの”と読むのかもしれない。線路の西側は大きな住宅地だが、東側にはまだこのこのような農地が残っている。現場はその農地の中、踏切から200mほど篠原側へ進んだところである。すぐ右を電車が走っているが画面には入ってこない。
ここのところずーっと同じ方向からの風景を見てもらっているから、毎日同じ組み合わせの山で何も変わらない。しかし、左側の城山は、野洲から近江八幡市街地の方向、この方位から見るのが一番存在感があるようである。
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方位36度線・4

日野川を越えてさらに1.6Kmほどバックする。36度線は在来線に近づく。国道8号東川交差点。目印としては南の角に近新家具が建っている。そこで交差する県道326号を琵琶湖へ向かう。新幹線をくぐってJR琵琶湖線へ近づいたところで、50mばかり左側が切れて山が見えるようになる。右側は墓地で左右ともに視界が開ける場所である。
地図で方位を調べると36.9度。約1度分、左へ寄っている。そう思って見ると、手前の2山に比べるて三上山がほんのわずか左へ寄っているようにも感じるが、意識しなければ同じような並びに見える。きっちり36度の場所を調べると、美鈴工芸社屋裏の農道を篠原の方へ少し歩いたあたりである。そこからどういう風景だったか、しっかりした記憶がない。いまになって、淡い記憶がよみがえり、案外いい風景だったような気がするが、後の祭りである。そういうことで今回の場所は美鈴工芸や伊藤家具八幡店を避けたその隣の畑ということになっている。
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方位36度線・3

さらに500mほどバックする。新幹線沿いに農免道路が走り、桐原新橋という橋で日野川を渡る。その橋の左岸上流を36度線が通る。右の赤信号が農免道路と国道477号との交差点である。きのうの撮影場所は新幹線の向こうの農地ということになる。右奥から走ってきた電車が東京行き。電車などを画面に入れようとするとき、私のような気が短いものは待つのに苦労するものだが、そういう意味では新幹線が一番楽である。ちょっと待てばすぐにやってくる。
ただしここは線路に近く、しかも相手が長いから画面いっぱいに電車が並んでしまう。電車を撮ったのか山を撮ったのかとといわれそうでもある。電車を小さくしたければ対岸から撮る手もあるが、河川敷が荒れていて、写真になりにくいのが苦しいところ。昨日の写真に比べて今日の方が大きく見えるのは、レンズの長さによる。
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方位36度線・2

昨日の標題写真は野洲市大篠原の国道8号沿いの池畔で撮影した。地図のデータを見てもらえばわかるが、三上山の真北を0度として時計回りの方位が36度。三上山からの直線距離が4.5Kmとなっている。その位置から国道を北東へ進み、鏡山の裾を峠で越えて、信号・西横関で国道477号を左にとる。しばらく走ると新幹線をくぐる。ここはその手前左手の農地である。大雑把に言うとJR篠原駅の南東数100mぐらいのところということになる。実際にクルマで走ると、こういうことになるのだが、出来上がった写真は、ご覧のように左が城山、右が田中山という構図である。地図の上でいえば同じ方位36度線上を1.7Km後退した位置からの撮影ということになる。
この場所についての事情だけを言えば、左の森が城山と重なり合ってはっきりしない。もう少し右から撮ったほうが絵は明瞭になるのだが、実はこの農地を高圧線が2本通っている。城山を見せようとすると、新幹線に近いほうの電線が邪魔をする。遠くの丘陵のすぐ下で、軽トラが2,3台止まって何人かの人が動いていた。夕方の逆光で何をやっているのかよくわからなかったが、写真をアップするとどうやら左義長の準備らしい。薄明時に点火されたら白壁土蔵に光が映えて面白い写真が撮れるかもしれない。
しばらく36度線上からの三上山を訪ねる。前回を1として今回は「2」になる。
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吉祥寺山が消えた

野洲市大篠原・国道8号沿い、光善寺川と浄勝寺前交差点との間に横たわる池である。どの地図を見ても正式名称は記載されていない。最近急にハスが増えだして、それをテーマにした写真が市展などに出品されているが、今日はその話ではない。実はここは、昨日の菜の花畑から三上山を前に見て500m足らず左へ寄った場所である。これだけの移動で左手に城山が独特の形を見せてどーんと飛び出してくる。そして逆に吉祥寺山が見えなくなってしまう。
・・・・実はこれが言葉の手品である。ここで三上山より大きい城山が現れると、その特異な形につられて目がそちらへ行ってしまう。見る人はそこに吉祥寺山があったことすら忘れてしまう。実は吉祥寺山は右の田中山に重なって見えているのである。といっても見てもらえるかどうか。2本並んだ電柱の上に頂上が見える山である。周りの風景になじんで見えなくなってしまう。
ここでもう一度、ナノハナ畑の位置から城山と一緒に撮った写真を見てもらおう。吉祥寺山はちゃんと見えているのである。ほんのちょっとしたずれで見えたり見えなかったり、何とも不思議な山である。訳の分からん話になった。あしからず。
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ナノハナ

通常号に戻ります。
野洲市大篠原。市域の東の端。そこを走る国道8号が小さな峠を終えるとすぐ隣町の竜王町鏡に至るというところである。そこを走っていて、新幹線との間の農地にナノハナが咲いているのが見えた。山の並びとしては手前に田中山が大きく見えて、その奥に三上山が見える。大雑把に言えばそういう形で、絵になりにくい場所で、今までにもほとんど撮影をしたことがない。今回も、冬枯れの田んぼで唯一の色彩に引きずられてのことだった。
田中山の2つのコブ(右の2つ相似形の山)に三上山が加わって、こぶが3つ並ぶ絵を想像していったのだが、どこら出てきたのか同じような山がど真ん中に飛び出してきたではないか。何でお前がこんなところへ・・・、とぼやいてみてもどうにもならない。この山は吉祥寺山といって、銅鐸博物館から見て前を走る道路を挟んだ向かい側の山である。遠くからではほとんど目立たないが、近くから見るとときどきこのようにしゃしゃり出てくる。
こうなったら乗りかかった舟。その付近でナノハナ畑を探してみた。標題写真の位置からほんのちょっと左へ寄ったところから。山の並びとしてはこちらの方が落ち着くが、花の咲き加減がね…。もう1枚、新幹線を越えた篠原小学校の近くから。標題写真に比べて吉祥寺山と三上山が入れ替わっている。皆さんなら、この3枚のうちどれをトップにします?。
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番外編・笹尾峠3

住宅地にはところどころに民家が建つだけで、人影も見当たらなかったが、道路の角に「御代参街道」の標識が見えたのである。そしてそれが示す矢印の先が「笹尾峠」。30年、40年前の朽ち果てたものではない。少なくともここ数年間に立てられたと思われる比較的新しいものだ。それも1本だけではない。要所要所で道順を示していた。個人ではできるはずがない。どこかの団体が組織的に活動しているはずだ。峠は生きていた。
1982(昭和57)年発行の本で”廃絶瞬前”と書かれた峠である。本はそれが書かれた時点では正しく表現されていたとしても、その後の状況をトレースすることはできない。本の宿命である。時代は変化している。帰ってインターネットで検索してみた(いまは現地で即座にという時代らしいが・・・)。この標識は土山町(甲賀市)・日野町(蒲生郡)域をカバーしているとのこと。両町が協力してのことだろう。そういえば蒲生岡本町(東近江市)では見かけなかった。その代り石標が充実していた。それ以外の市町ではどうなっているのか、全コースを歩いてみなければわからない。ブログには全コース踏破の記録もあるが、やはり自分で歩いてこそのものだろう。
「野洲川分水嶺峠道探訪」としては、とりあえず土山宿から日野町鎌掛宿までのレポートがほしい。新年のポカポカ陽気に誘われて歩いてみた。いろいろあったけれども少なくとも峠は生きていた。このあと近日中に「分水嶺峠道探訪」で詳述する。しばらくお待ちを。
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