たった数10mで

1月6日に天井川遺構と電車、さらにこじつけてバックに三上山という写真を見てもらった。翌7日に、今度は遺構とは無関係に電車と三上山の写真。その時にも触れたが、6日の写真に関しては三上山の写真としてはこれは基本的に無理だ。7日分については、6日よりは失地回復は見られるがそれでもまだまだ無理、山を大きくするには、電車が遠くにあるときに望遠で狙えばいいのである。問題はそういう都合のいい場所があるかどうかだ、と結んでおいた。
理屈はいろいろこねられるが、実際問題としては条件にあう場所があるかどうか。問題提起した以上、現場を確かめる必要があろうと、もう一度見に行ってきた。7日の写真と今回の写真を見比べてみればわかることだが、線路から離れるほど電車が小さくなり山が大きくなる。線路と直角に交わる農道上で、7日は踏切に近い地点、今回はその踏切から数10mほど離れた地点だった。たった数10mで絵が変わる。もちろん三上山に対して真後ろへバックできれば話は簡単だが、そんな都合のいい道はない。
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やっぱり見えない

1月10日、朝方雨が降ったらしく、外へ出たら道路が濡れていた。曇り空であまり寒くは感じないが、三上山は頂上部だけ雪をかぶっていた。8日にUPした二重ピークのところだったので、もう一度よーく見直してみたが、それらしきものは見えなかった。頂上右下のコブがそれのようにも見えるがもう一つはっきりしない。撮影時刻は朝7時半ごろ。太陽は上っているのだが三上山の向こう側にあっり、その上曇り空、しっかりした光は当たらないという状態だった。
今回の撮影場所は、8日UP標題写真の撮影位置(県道504号の株式会社ダイアナの前あたり)より、三上山に向いて左へ500m余り移動した場所である。山に近いから500mが無視できないのかもしれない。たとえば10Kmも20Kmも離れた場合は、500mぐらいは無視できるが、1Kmそこそこでは500mが大きくなる。そんなことで以前県道から撮ったものを探してみた。もう1枚。同じく雪の写真だけどやっぱり見えない。光線のかげん、言い換えたら太陽の位置によるのかもしれない。冬の夕方、もうすぐ日没という、低い光線が必要なのかとも思う。
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二重ピーク

今回の二夜連続(2日朝、3日朝)の雪はなかなか解けなかった。6日は朝から雨、それでもまだ道路のふちや田んぼなどにはかなりの量が残っている。そして午後3時ごろ、朝からの雨が止んだ。田んぼからは湯気が立ち上り、三上山には霧がかかる。
雲が厚くなかなか頂上が現れてくれなかったが、そのうちに雲が動き出し、ときどき姿を見せるようになってきた。よーしこれだ。何枚か撮っている間に・・・、おや?、頂上の右下にもう1つよく似たピークが見える。何だこれは。今までこんなの見たことないぞ。もし見えていたのだとしたら切腹モノやな。
このアングルの写真ならゴマンとある。カチャカチャカチャと適当に引っ張り出した写真にしっかり写っていた。分かりにくい方は拡大版をどうぞ。それでも分からんとおっしゃる方は線付版をどうぞ。
ということで、今までにも見えていたことは確かになった。だとすると最初の記録はいつかと調べてみた。あった。何のことはない。いちばん古い写真だった。1977年2月。本格的に三上山を撮りだしたのが1976年11月だから、始めて3か月。以来40年近く、何を見てきたのかと思う。見えなかったのではない。見ていなかっただけだった。それとも忘れたのか・・・。いずれにしてもセップクは間違いなし。日乗はしばらく休みます。
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青大将

湖南市石部東から草津線沿いに走る広域農道(?だと思う)が、同じく吉永で天井川の大砂川堤防にぶつかる(草津線もトンネルで抜ける)。クルマの通行量は結構多いが、数100mほど手前の信号で左右どちらかに曲がってしまうから、道端にクルマを置いてのんびりできる。と、遠くの踏切の音が聞こえて、やってきたのが青大将。最近ローカル線でこの色が増えてきた。まあ、絵にならないことおびただしい。いつだったか、関西の電車は全部この色にすると新聞に報じられていた。同じ色に統一すると塗料費が軽減されるとか。仮に東海道線の快速や新快速が全部この色になったら、鉄道マニアが暴動が起こすのではないか。
と、いまもそう考えてはいるが、きのうきょうちょっと考え方が変わってきた。青大将も時と場合によるのではないかと。たとえば昨日の標題写真、これは三上山が完全に電車に負けた。しかし、きょうの三上山はまあなんとか、負けは負けだろうけれど昨日のような惨敗ではない。相手が青大将だからである。あとはこの勝負、三上山の勝ちにするには、山を大きく電車を小さくすればいい、すなわ電車が遠くにあるときに望遠で狙えばいいのである。問題はそういう都合のいい場所があるかどうかだけど。
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天井川遺構の遺構

わけのわからない写真である。何の写真かと問われれば、やっぱり電車の写真だろう。三上山日乗のシリーズとしては確かに三上山も写ってはいる。しかしこれで三上山の写真でございますというのはやっぱりつらい。ということで三上山はこの際「つけたし」に格下げする。それよりも電車の手前に写っているプラットフォームのできそこないのようなレンガ造りに着目していただきたい。
実はこの場所、JR草津線甲西駅の少し南東(貴生川寄り)、かつて由良谷川が天井川として草津線の上を渡っていたところである。その遺構を昨年2014年1月17日の日乗で紹介した。しかしそのときは天気がもう一つだったので、今回改めて撮り直そうと出かけてきたのでだが、その遺構が消えてなくなっていたというわけ。
あったものがなくなったことを紹介することは難しい。なくなったところを写しても以前あったものがよみがえることはあり得ないのだから。ということで、とりあえず昨年撮ったものを引っ張り出してきた。ちょっとわかりにくいので拡大してみた。いちばん右の電柱に青と白の三角形を組み合わせた指標がついている。その下に”L”の字をつけた勾配標。さらには左端近くの電柱に”60”の標識がついている。これらは鉄道関係だから天井川遺構がなくなったとしても大きくは変わらないだろう。それらを確かめた上で現在の写真を見ると、プラットフォームのできそこないこそ、天井川橋を支えていた基礎部分であったことが見えてくる。
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じゅらくの里

湖南市「じゅらくの里」、紅葉の時期に「湖南三山」が口に上るようになった。そのうちの石部にあるのが2つ、東が長寿寺、西が常楽寺。長寿寺の「じゅ」と常楽寺の「らく」をつないで「じゅらくの里」。
・・・・と、ここまで書いて気になりだした。以下余談。
最近の言葉では「つないで」を「つなげて」という。NHKでも当たり前に使っている。「つなぐ」を「つなげる」というのもおかしいが、それを言い出すと長くなる。とにかく「つなげて」はおかしい。嘘だと思ったら童謡「靴がなる」を歌ってみればいい。「おーてェてー つーないで」だ。「おーてェてー つーなげで」とは歌わない。余談終わり。
さて、その「じゅらくの里」、石部の長寿寺の近くにある。吉永から見たとき左に見えていた菩提寺山が右に見えている。左右入れ替わったことになる。この菩提寺山を見て、三上山と見間違う人はいない。吉永から見たのもまたしかり。だとすると、一昨日見てもらった石部の広域農道から見た菩提寺山は、いかにうまく化けたか。キツネ顔負けの超一流の技ということになる。
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消えた祠

昨3日、朝の積雪は多かったが、日中はいい天気になった。雪が解けた農道を頼りに、新幹線の向こうの田園地帯を歩いた。田んぼをひと巡りして、普通だとそれで帰って来るのだが、余り天気がよかったものでふと思いついて三上の集落を三上山側へ抜けてみた。と、大変なことが起こっていた。例の祠がなくなっていたのである。
標題写真は雪がとんで惨憺たる出来である。途中どこかでプラス補正をしてそのままになっていたらしい。しかし撮った以上、消えてしまった祠のためにも、「露出オーバーの失敗でした」でひっこめるわけにはいかない。なくなったという事実だけは記録しておかないと。かなり老朽化していたから取り壊されたのだろうとは思うが再建案があるのかどうか。教室で I さんに聞けば分かるだろう。跡地のアップを1枚。
とにかくここで、在りし日の祠を見ていただこう。まず、1978年撮影。三上山を撮りだして丸2年目、大晦日にきょうのような雪が降った。年末の掃除をほったらかして朝から撮って回ったうちの一枚。1990年撮影。普通のソメイヨシノではない、ワンテンポ遅れて咲く品種だった。この年は見事だった。別の年、花吹雪を狙ったがゴミが付着したようにしか写らなかった。そのあと幹に蔓が巻いて勢いが衰えていった。
昔は、納得できるポイントまであぜ道を歩いて接近した。若かった。
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双子富士

標題写真は飯道山山頂から見た三上山である。撮影は2009年1月。杉の木を避けるため、誰もいないことを幸いに広場にあるテーブルの上に立って撮影した。最近登った写真仲間のSさんの話では、そんなに苦労することはなかったとのこと。かなり手入れがされているらしい。と、ここまでは前座。きょうは、その手前に忍者のようにぴたりとへばりついている菩提寺山の話。
まずこの写真を見ていただこう。湖南市吉永から石部東まで、草津線に並行する広域農道(だと思う)から撮ったものである。実はこの写真をきょうの標題写真にしようと思ったのだが、全体にさえないし、まさか正月早々ウソをつくわけにもいかないしということで、標題は飯道山からのにまかせた次第。と、ここまで書いてもまだほとんどの方は意味がお分かりにならないと思うが、実はこの山、菩提寺山である。南の方の吉永あたりから見ると両者は左右に分かれて立つ。菩提寺山がいくら頑張っても姿かたちにおいては三上山に及ばない。
石部に近づくに従って三上山が左へ動き、菩提寺山の後ろへ回り込むようになる。サルでも人間でもすべて同じだけど、ナンバー1が引退するとナンバー2が途端に張り切りだす。山でも同じことで三上山が後ろへ回り込んでしまうと、菩提寺山が途端に目立ってくる。先ほど消えた三上山が帰ってきたのかと思う。
そういえば数年前、飯道山から見たとき、三上山と飯道山が重なって見えた(標題写真)。それがこれだな。地理院地図で調べたらまさにそれだった。飯道山から見て三上山と菩提寺山が重なって見えるということは、言い換えたらそれら3つの山が一直線に並んでいるということ。撮影場所拡大地図(GoogleMap)。白い広い道が今回走った広域農道?。道路と直線がクロスする橋の上から撮ってみようとは思っているが大差ないはず。
つけたし:今朝も雪。きのう、道路の雪は解けてしまったが、今朝、またしても新しい雪が。
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