至近距離

現場へ着いてから、しまった今日は土曜日(12日の話です)だった、と気がついたがアトの祭り。クルマを止める場所がない。普通はこういうときは逃げて帰ることにしているが、紅葉とこの天気だからそれもならず。結局は人出を避けて希望が丘道路の一番低いところ、花緑公園の池をまたぐ辺りからカメラを上へ向けて・・・。「山は高きから撮れ」の鉄則に反する最悪の場所である。でも1年に一枚ぐらい紅葉でゴザイマスという写真があってもエエか。
ただいま「わいわいⅡ教室」の作品展開催中。ただしきょう(14日・月)は休館日。明日から後半戦。
それともう一つ。JAおうみんちで今年度短期教室(5月~10月)の作品展開催中。きょう(14日・月曜日)午後2時から作品説明会を開きます。お買い物のついでにどうぞ。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


逆光の正体見たり

野洲図書館の前、在来線と新幹線に挟まれた農地である。ススキの小山が2つほど並んでいる。「ほど」というのは、その2つの他に群れを離れた浪人組が少し散らばっているという意味である。標題写真はその中でいちばん大きなグループで、三上山に向いていちばん右にある。細い畦道を静かに近づいていったのだが、急に鳥が数羽飛び出してきた。空へ飛びあがってからの鳴き声でケリだったのかとわかる。標題写真の2羽は、遅れて飛びあがったヤツ。
鳥の話はそれぐらいにして、きょうは鳥よりもっと大事な話を。いま見ていただいた標題写真が三上山に向かっていちばん右。これを第1グループとする。次にもう1枚。これは第2グループで第1グループより左にある。そして仲間外れの第3グループ。これがさらに左にある。見ていただいて何か気付かれただろうか。そう、左へ行くほどススキの穂の輝きがよくなる。三上山から見た角度は3度足らずである。気にするほどのことでははないのだが、穂の輝きは明らかに違う。
ススキの穂は逆光の度合いが強いほどよく輝くと思っていたが、この3つのグループに関していは、それが逆になるのである。今の場合、太陽は左前にある。第1ぐループの場合、右へ寄るからカメラはほんの少しだが左へ向く。逆光の度合いは一番強いはず。ところがそれが逆になっている。グループによって穂の状態が違うのか、それとも微妙な光の角度の差によるのか。”逆光の正体見た入り枯れ尾花”と行きたいところだが、そんな簡単なものでもなさそう。
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電車の宿命

由良谷川堤防から三雲に向かって旧東海道を走ると、もう1本大砂川トンネルをくぐる。何となく撤去工事が始まりそうなのだが、いまのところはまだ目立った変化はない。それを見極めて三上山側の農地へ回ると、なんとなくええ加減なコスモス畑が広がっている。雑草の中に去年のコスモスが顔を出したような。一面コスモス畑でございますというよりも、架線の支柱もあることだから、こういう雰囲気のほうがいいかもしれないな。と、遠くで踏切の警報が鳴りだした。
こうしてつらつら眺めてみると、架線の支柱はつらいな。電車の宿命、こればかりは仕方がない。遠い話だけど、蒸気機関車の末期、秋田駅構内で架線のない風景に感動した。9800やハチロクがとぼけた顔をして煙を吐いていた。東海道線が電化されたとき、煙のない旅がいかにありがたかったか。人間というヤツはそのときそのときで好き勝手なことを言う。イエイエ皆さんのことではアリマセン、私自身への戒めでございます。
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堤防上から

きのう・きょうの標題写真になっているこの川は由良谷川、天井川だったものが平坦化され一つ下流の家棟川に合流して野洲川に注いでいる(希望が丘を源流として琵琶湖へそそぐ川とは別物)。そんなことで天井川の方は早晩消えてなくなる。先ほど登り口があったはず(左奥、「止まれ」マークが旧東海道)、とりあえず記録だけはしておこう。堤防の上から見下ろす旧東海道。ということでそこで回れ右をして撮った写真が今日の標題写真。画面下、手前に見える草は、対岸(左岸)のもの。水もない狭い川だったけれど渡るすべがなかった。
それでも遠景は広がる。川の流れがはっきりすることとと、山の線が明快になることが何物にもましてありがたい。三上山の左が菩提寺山。実際の高さは三上山より低いのだが、近い分だけ高く見える。右の低い波状の線が妙光寺山。その右、ざるを伏せたようなのが天山。そして、傾いた台形が城山。この山は小さいけれど存在感抜群。さすが城が置かれただけのことはある。
一昨日の標題写真、線路沿いの道路建設現場はどこかと探したが、見当たらなかった。画面右外にあるらしい。
写真ステージ 「近江富士」
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ここも工事中

上の工事中の写真を撮ってから、少し周辺を歩いてみた。意味もなく集落の中を歩いていて、いつの間にか高い堤防沿いを歩いていることに気がついた。午後そんなに遅い時間でもないのに、もう夕方の気配だった。道はすぐ旧東海道へ出た。道路際に「新田道」というでかい石標が建っていた。帰ってから地図で調べてみると、そこからまっすぐ野洲川の方へ一本道で旧国道1号の夏見新田という交差点につながっていた。
振り返ると旧東海道のトンネル入り口が暗く、向こう側がやけに明るく見えた。ズボラをして露出補正をせずに撮ったら、ものの見事に向こう側が飛んでいた。その明るさにつられて、トンネルをくぐった。新しい川の工事中だった。標題写真はそこから少し下流側へ下った右岸である。そのときは何も考えずに撮ってきたが、左へ曲がったところに新しい橋がかかっている。かけ替えられたものと早合点をしていたが、地図には記載されていない。新たに架けられたものらしい。
三上山の真下にライトブルーのでかい建物が見える。これが上流の新生橋から左に見えるヤツらしい。邪魔になって仕方がない。確かめようとそこからの写真を引っ張り出してみたが、ほとんど写っていない。これはその中で唯一姿が見えるもの。いやな奴を毛嫌いするとこういうことになる。お正月にはみんなで楽しくトランプをしましょう。いえいえ大統領選挙のことではアリマセン。
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工事中

湖南市夏見、旧由良谷川の遺構があったところである。そういう天井川があることは知っていたが、その気になって撮影に行ったとき(2014.01.16)には、本当の遺構だけしか残っていなかった。いま思うその気になれば上まで上れる状況だったが・・・・。同じ日のもう1枚。電車が走ってます。そしてその年の暮れ、ふと思いだして行ってみたときには最後の遺構も撤去されてしまっていた。
それ以来、2年近くになる。菩提寺の墓場近くの風景のこともあって、その後どうなったかと急に気になりだした。そして行ってみたのが標題写真である。何か工事が行われている。線路沿いにもう1本道路を作っている様子だ。撮影場所の上手(三雲側)に踏切があって、そこから元遺構の場所を越えて甲西駅までの道路のようだ。風景は変わる。
いま川は少し上流でもう1本下手の家棟川へ迂回し、JR草津線甲西駅のすぐ下手で野洲川に注いでいる。
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午後の光

菩提寺の「みどりの村」交差点。体感的にはT字路でしかないのだが、地図を見るともう1本細い道が続いていて、十字路をなしているという不思議なところである。その十字路の三上山側、田んぼになったり、畑になったり、コスモス畑になったり、ときによって表情が異なる。毎日見ているわけではないので大きなことは言えないが、ここのところは放置されているのではないかという感じ。その手前、ただの空き地というイメージの広場に、柿の木が2本だったか3本だったか。葉っぱがいっぱいついているのに、実が一つもついていない。まさか人間が1つも残らずもぎ取ってしまうとも思えないし、これもまた不思議な風景である。
そういう動きのない風景を前景に、奥に建つ数軒の住宅。そんなアンバランスに思わずカメラが向いた。雲一つない青空から射してくる午後の光、それ受けて存在感を示す住宅群。特に右に重なるように並ぶ2つの三角形が印象的だった。
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道標死ス

菩提寺の大山池へ行こうとして、ふと、あの墓地の横はどうなっただろうと思った。菩提寺のメイン道路というべき県道22号(旧道)沿い、交番近くの墓地で、菩提寺山へ登ろとしてそこを通ったのが最初だった。疎林の間に瀟洒な家があってその向こうに三上山が見えた(2012年2月撮影)。そのあと”甲賀坂”というルートに興味を持って2014年4月にここを尋ねたら、工事が行われていた(墓地は画面左外)。これでここはダメになると、そのあとは忘れてしまっていた場所である。今回訪ねたその場所は、立派な駐車場になり、そばに「湖南市菩提寺まちづくりセンター」という立派な建物(標題写真左の建物)が建っていた。
ここはこれ以上撮りようがないな、帰ろうとしてふと県道沿いの木の下に、重要な道しるべがあったことを思い出した。「右 はちまん」。ここで道が左右に分かれていて、左へ行けば墓地の横を通って野洲の北桜・南桜へ、右(実際にはまっすぐ)に行けば、”甲賀坂”(現在の希望が丘南ゲートへの道)を越え、希望が丘・中山道経由で近江八幡に至る道があったことへの生き証人である。
探すまでもなくその道標は見つかった。しかしこれではどうしようもないでしょうが。どういう感覚なのか、設計者は。これで街づくりができるのか。いまからでもいい、もう1回生かしてやってくれませんか。その昔の写真は正面からのべた光線で不満足だった。改めてきっちりしたのを撮っておくべきだったと、いまになって思う。
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